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子宮頸がんとは?

子宮頸がんの患者数

子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮頸部)にできるがんで、1年間に約3,000人が死亡しています。
初期に目立った自覚症状はなく、乳がんや子宮体がんと同様に20~30代の若い女性において子宮頸がんと診断された人数(罹患数)が増えており、原因はヒトパピローマウイルス(以下、HPV)への持続的な感染にあるとされています。

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子宮頸がんの原因

子宮頸がんの原因の多くは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるものとされています。ヒトパピローマウイルスは、多くのタイプがあるといわれており、ハイリスク型(16、33、52、58型など)とローリスク型(6、11型など)に分類することができます。

ヒトパピローマウイルスは、性交渉によって感染することがわかっています。しかし、感染しただけでは特に自覚症状などがみられないことから、多くの女性が一生に一度は感染するウイルスともいわれています。また、感染から何年後にがん化するかなど、具体的なことは現在もまだ明らかにはなっていません。しかし、近年の患者の年齢の分布から分析すると、性交渉の開始年齢の低年齢化と、持続感染が影響を与えているのではないかと考えられています。

このウイルスが感染しても、通常は自身のもつ免疫機能によって、ウイルスを排除しています。しかし、約10%の人は、子宮頸部にヒトパピローマウイルスが感染したあと、持続感染により排除されることなく、子宮頸部に長期的に定着してしまい、細胞の異形成が進みます。異形成は軽度、中程度、高度の3段階あります。これらの状態で発見され、適切な治療が行われればがんとなる前に治療することができますが、細胞の異形成の状態を放置してしまうと、子宮頸がんを発症することになります。

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子宮頸がんのステージ(病期)

ステージとは、がんの進行の程度を示す言葉で、「病期」ともいいます。ステージにはローマ数字が使われ、がんの大きさだけではなく、粘膜内にがんがどの程度深く入っているか、リンパ節転移や肺などへ転移があるかどうかで、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期に分類されます。

I期
がんが子宮頸部のみに認められ、ほかに広がっていない
(子宮体部への浸潤[広がり]は考えない)
IA期
組織学的にのみ診断できる浸潤がんで間質浸潤の深さが5mm以内、縦軸方向の広がりが7mmを超えないもの
IA1期
組織学的にのみ診断できる浸潤がんで間質浸潤の深さが3mm以内、縦軸方向の広がりが7mmを超えないもの
IA2期
間質浸潤の深さが3mmを超えるが5mm以内、広がりが7mmを超えないもの
IB期
臨床的に明らかな病変が子宮頸部に限局するもの。または臨床的に明らかではないがIA期を超えるもの
IB1期
病変が4cm以内のもの
IB2期
病変が4cmを超えるもの
II期
がんが子宮頸部を越えて広がっているが、骨盤壁または腟壁の下1/3には達していないもの
IIA期
がんが腟壁に広がっているが、子宮頸部の周囲の組織には広がっていないもの
IIA1期
病変が4cm以内のもの
IIA2期
病変が4cmを超えるもの
IIB期
がんが子宮頸部の周囲の組織に広がっているが、骨盤壁まで達していないもの
III期
がんが骨盤壁まで達するもので、がんと骨盤壁との間にがんでない部分をもたない、または腟壁の浸潤が下方部分の1/3に達するもの
IIIA期
がんの腟壁への広がりは下方部分の1/3に達するが、子宮頸部の周囲の組織への広がりは骨盤壁にまでは達していないもの
IIIB期
がんの子宮頸部の周囲の組織への広がりが骨盤壁にまで達しているもの、または腎臓と膀胱をつなぐ尿管ががんでつぶされ、水腎症(すいじんしょう)や腎臓が無機能となったもの
IV期
がんが小骨盤腔(しょうこつばんくう)を越えて広がるか、膀胱・直腸の粘膜にも広がっているもの
IVA期
膀胱や直腸の粘膜へがんが広がっているもの
IVB期
小骨盤腔を越えて、がんの転移があるもの

日本産科婦人科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会・日本放射線腫瘍学会編「子宮頸癌取扱い規約2012年(第3版)」(金原出版)より作成

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子宮頸がんの治療

子宮頸がんの治療には、手術(外科治療)、放射線治療、化学療法(抗がん剤による治療)があります。がんのステージや年齢、合併症の有無など患者さんの病状に応じて選択されます。

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国立がん研究センター がん情報サービス
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